暮らしのヒント‎ > ‎生活編‎ > ‎

TIPS

バルカン像  (2003/6/27)

2012/05/16 11:18 に Hosyuko Admin が投稿

  • 先週、バーミングハム市街とホームウッド/マウンテンブルック市を隔てるレッドマウンテンの上に、鉄製の立像である「バルカン像」が約4年の修復作業を終えて姿を現しました。1930年代後半に現在の場所に建てられ、修復のため99年にいったん解体されるまで、約60年の間バーミングハムのランドマークとして親しまれてきましたので、その復活劇は連日ローカルテレビで繰り返し報道されました。
  • バルカン像の誕生は100年前に遡ります。1904年にセントルイスで開催される世界博覧会を前に、アラバマ州から出展がないことを知ったバーミングハムの実業家が、街の発展を支えてきた鉄をモチーフとしてバルカン像作成を計画。イタリア生まれの彫刻家Giuseppe Morettiを中心に数ヶ月の突貫作業で高さ55フィートの「火と鍛冶の神」バルカンの像を完成させて博覧会に出展しました。
  • もともとバーミングハムは1870年代初頭、鉄道の敷設とともに街づくりが始められましたが、交通の利便と製鉄に必要な三要素、石炭・鉄鉱石・石灰石が全て近在に揃っていたことから鉱業・製鉄業が急速に発展、これらの産業を核として急成長をとげます。市制施行(1871年)のおよそ10年前まで、「貧しく、取るに足らない南部の村」に過ぎなかった場所が、その後「北のピッツバーグ・南のバーミングハム」とたたえられるほど鉄鋼を中心とした工業の街に変身したその興隆ぶりは「just like magic」といわれ、「Magic City」というニックネームもそこからついたという訳です。
  • そんな街の成り立ちを象徴するバルカン像は、セントルイスの世界博覧会で見事に賞を獲得、多くの注目を浴びましたが、その後の道のりは決して平坦ではありませんでした。もともとかなり個性的な顔つきですし、お尻をさらしている姿とあいまって特にご婦人には不評で、バーミングハムに帰ってきたものの展示先がなかなか決まりません。結局、Alabama State Fairgroundに置かれることで決着がつきましたが、色を塗られたり商品を持たされたりして興業主やスポンサーの宣伝に用いられるなど、不遇の30年を過ごしました。腐食も進み廃棄も検討されるに至った1930年代、バルカンに安住の地をという運動がKiwanisクラブのメンバーによって始められ、レッドマウンテンの上、バーミングハム市街を見上げる姿で安住の地を得たのは1930年代も終わりにさしかかっていました。
  • その後、掲げたヤリにネオンが取りつけられ、交通事故で死者があったときは赤、それ以外のときは緑に光るトーチとしても活用され親しまれてきました。ただ、歳月の経過とともに老朽化が進行、危険が指摘される状況となり、1999年に修復作業のためいったん解体されました。そして4年の歳月を経て、今月19日に再び勇姿を現したのです。誕生100周年を迎える2004年には、公園やビジターセンターとともに一般に公開される運びです。
  • ところで、バルカン像はバーミングハム市街を向いていますので、レッドマウンテンの南側には、後姿---裸のお尻---を向けています。Homewood Moonなどど揶揄されてきたそうですが、今回は体を右に約15度まわした位置で固定され、ホームウッドの中心部からはお尻ではなく横顔が見える位置に変わったそうです。"He won't be mooning Homewood completely." 月を表す「moon」が、動詞で「裸のお尻を向ける」という意味に転じることも、バルカン像の姿を見ていると実感できます。今年の独立記念日には、レッドマウンテンの上に打ち上げられる花火に照らし出されたバルカン像を見ることができそうです。

アファーマティブアクション  (2003/6/27)

2012/05/16 11:17 に Hosyuko Admin が投稿

  • 「積極的改善措置」という訳語より、カタカナの「アファーマティブアクション」の方が聞きなれた言葉になっているかもしれません。以前にご紹介した妊娠中絶の問題同様、アメリカで国を二分する大きな論争のひとつにこの「アファーマティブアクション」の是非があります。
  • Affirmative Actionとは、社会的・構造的な差別によって不利益を受けてきたグループ(例えば女性・障害者・少数民族など)に対して、実質的な機会均等を確保するために取られる措置のことをさします。単に差別を禁止する法律を制定するだけでは不充分であり、より踏み込んで実質的な平等を作り出すための特別な対応をはかろうとする考え方は、アメリカのみならず多くの国々で取り入れられ、雇用や選挙、大学の入学者選考などにおいて具体的な措置が講じられてきました。日本でも、例えば障害者の雇用を促進するために、一定の比率で障害者の雇用を企業に義務付ける制度があります。
  • アメリカでは、公民権運動の時代を経て60年代から70年代以降、マイノリティとの商取引、採用、入学などを考慮する様々な制度が積極的に採用されていきました。見方によっては「逆差別」にも思えるこのような措置が是認される根底には、「One nation, indivisible(不可分であるひとつの国---Pledge of Allegianceの言葉---)が実現されるべきものであるならば、人種や民族を超えてすべての人々が、この国の市民生活に現実に参加することが不可欠である」というDiversity(多様性)を根本に据える価値観があると考えられます。
  • しかし「総論賛成各論反対」は世の常、世論調査でもセオリーとしてのアファーマティブアクションは多数の人々に支持されていますが、個別の方法論では激しい議論が行われてきました。マイノリティの優遇は結果的にマジョリティの逆差別につながり「法の下の平等」に反するという議論も根強く、カリフォルニア州やフロリダ州など、州によっては大学の選考過程における特別措置を廃止した州も現れています。そのような中、今月23日に、ミシガン大学とそのロースクールの入学者選考をめぐるケースについて、合衆国最高裁判所があらためてアファーマティブアクションに対する判断を下し耳目を集めました。
  • このケースで最高裁判所は、入学者の選考にあたり、学生のDiversityを実現するために人種を一要素として考慮にいれること自体は、従来の判例を踏襲しつつ合憲の判断を下す一方、マイノリティに一律に得点を加算する方法は許されない、という判断をしました。ただ、この判断も9人の裁判官の意見は最後までまとまらず、前者(合憲部分)は5対4、後者(違憲部分)は6対3という僅差の判断で、世論の分裂をまさに反映した判断、という論評も新聞に現れていました。
  • なお、この判決の中で多数意見は次のようなコメントを付け加えています。「今から25年後には(高等教育の入学者選考にあたり、学生のDiversityを実現する上で)人種への考慮はもはや必要ない、ということになることを期待している」と。
  • ちなみに25年といえば、大学の入学者選考において人種を考慮することに初めて法的な裏付けを与えた最高裁判所の判断が1978年-ちょうど25年前でしたから、まだまだ「道半ば」と裁判所が捉えているということかもしれません。あるいは、公民権運動の高まりから早40年、今なおアファーマティブアクションが必要と判断しなければならない現実に対する思いの表れ、ということもできるかもしれません。
  • この裁判例のように、Diversityを根源的な価値の一つとし、その実現に取り組もうとする姿をアメリカは私たちに見せる一方で、私たちの---少なくともバーミングハムでの---生活実感からすると、住宅地にしても、教会にしても、学校にしても、様々な人種が混ざり合っている、という環境とはほど遠い現実もあります。バーミングハム市に黒人が集中する一方、オーバーザマウンテンと呼ばれる私たちが暮らすエリアは白人中心で、黒人をあまり見かけることがありません。どちらもアメリカの現実である訳ですが、これらの現実がもう少しクリアに見通せるようになるまで、裁判所が言うようにまだ時間が必要なのかもしれません。

歯・ハグ・はぐき   (2003/6/7)

2012/05/16 11:16 に Hosyuko Admin が投稿

  • HUG(ハグ)やKISSの習慣があって顔を近づける機会が多いからでしょうか、歯の健康や口臭に関する意識は私たちよりもアメリカ人の方が高いように見受けられます。薬局の棚に並ぶマウスウォッシュの種類の多さにもその一端がうかがえますし、定期的に歯科に通う習慣も当地では一般的です。日本では虫歯の時だけお世話になっていたものが、アメリカに来てからは歯科医の勧めに応じて虫歯の治療が終わった後も、半年に1度のクリーニングとチェックアップを続けている方も多いと思います。
  • 歯科の専門領域による分化も進んでいます。日本では何でもこなすオールマイティな歯科医が普通ですが、当地では、
     ・Dentist 通常の虫歯治療医
     ・Periodontist 歯茎、歯槽に関する治療医
     ・Endodontist 神経を扱う治療医
     ・Orthodontist 矯正歯科
     ・Oral surgeon 抜歯専門
     ・Pediodontist 小児歯科
    といった具合です。Medical の場合と同様、Generalな歯科医から必要に応じて専門医を紹介してゆくシステムがここでも行われています。
  • 歯科医でクリーニングとチェックアップのあとにもらう試供品をながめていますと、歯ブラシやペースト、フロス、マウスウォッシュはもちろん、舌の除菌グッズなんてものもあり、多様な商品群から歯の健康をめぐる関心の高さを感じます。ただ、歯科医によれば、虫歯や歯周病・口臭予防の決め手は、なんといっても歯磨きとフロスの習慣。私たちには、歯磨きはともかく、フロスは少し縁の薄い習慣かもしれませんが、その効果は単に歯のすきまを掃除するだけではないようです。
  • 口腔内には多くのバクテリアが常時生息していますが、これらが結合して強力な複合体(microbial complex, biofilm, film)が作られると、それが虫歯や歯茎の病気を引き起こすと考えられているそうです。歯茎に感染しますと、通常は痛みを伴わないことから自覚のないまま進行してしまい、歯周病(gingivitis)のうちはまだいいものの、歯根周囲に及ぶ病気(periodontitis)に至って歯科医を訪れる頃には、歯を失うことを覚悟しなければならない状態になっていることもあるようです。実際、成人が歯を失う最大の原因は歯茎の病気によるものだそうです。
  • このバクテリアの複合体による侵食は、日に2回の歯磨きと1回のフロスで、十分に防ぐことができるそうです。フロスは、歯茎を侵し歯を失う原因となる病気を引き起こすバクテリアの複合体をかき回し壊す大切な働きをします。これがフロスの見えない、しかし最大の効果だということなのです。
  • 歯磨きだって面倒なのにフロスまでするのは煩わしいとも思いますし、日本ではまだそれほど広がっていないじゃない?とも思います。ただ、こちらで普及している様子を見ていますと、ちょっとやってみようかな、という気持ちも芽ばえてきます。フロスはアメリカ生活で身につけられる最も経済的で効果の高い習慣かもしれません。歯とハグとハグキのために。



家をしばらく留守にするとき   (2003/6/7)

2012/05/16 11:15 に Hosyuko Admin が投稿

  • Memorial Dayに続く週末が、アメリカ人にとっては夏のはじまりです。学校も今週までに学年末を迎え、いよいよ夏休みに入りました。夏休み中に旅行や帰省で家をしばらく留守にする方も多くいらっしゃると思います。そこで、家をしばらくあける時に知っておきたいTipsをご紹介しましょう。
  • 日々配達される郵便物の多さは、誰もが実感されていることではないでしょうか。請求書や私信、銀行のステートメントなど大事なものもあれば、クレジットカードの勧誘を中心としたダイレクトメールの数々、、、ふつうの郵便受けでは4・5日で一杯になってしまいます。また、郵便受けがあふれている様子は、不在を世間にPRしているようなもので、防犯上も好ましくありません。そこで郵便局の「Hold Mail Service」を利用して、不在の間の配達を止めることができます。
    このサービスは、3日以上30日までの指定する期間、郵便物を配達せず局に留め置くサービスで、料金はかかりません。指定した期間の最終日にまとめて配達を受けるか、管轄の郵便局に取りに行くことができます。まとめて配達を受ける場合、ポストに入りきらないものは郵便局に持ち帰られてしまいますので、受け取りに出向く方が無難かもしれません。受け取りには運転免許証などのPhotoIDが必要です。

    申込みは郵便局のウェブサイトhttp://usps.com/から簡単にできますし、郵便局の窓口でも受付けしています。サービスを希望する90日前から受付けており、ウェブサイトなら当日の午前2時(セントラルタイム、日曜は除く)までに申し込めば、その日の配達からストップすることができます。期間の変更、キャンセルなどもオンラインで可能です。オンラインで申し込んだ場合は、Confirmation Number(確認番号)を必ず控えておきましょう。なお、このサービスは同一世帯の郵便物を一括で対象としますので、世帯の一部を指定して申し込むようなことはできません。
  • 新聞を購読している方は、新聞のストップもお忘れなく。ドライブウェイやフロントヤードに配達された新聞が散らかっている様子は好ましくありません。ご近所に親しい方がいれば、その方にピックアップをお願いするか、新聞社に連絡して配達を一時停止してもらいます。ちなみに『Birmingham News』の配達に関する連絡先は 325- 2251、または 1-800-283-4001です。
  • ヤードメンテナンスも考慮にいれておく必要があります。出かける直前に芝刈りをしておけば、夏の暑い時期でしたら2週間程度は大丈夫でしょうが、出張が重なったり週末に雨が降ったりすると、芝刈りができず伸び放題、、、ということにもなりかねません。住む場所にもよりますが、庭の手入れや家の美観に対するご近所の目は、私たちが想像する以上にシビアです。自分で芝刈りができない期間が続くときは、アルバイトを頼むなどして最低限の手入れができるようにしましょう。また、夏は蚊の季節。蚊が媒介する西ナイル熱の流行は記憶に新しいところです。家の周りで蚊がわきそうなStanding Waterがないかも、チェックリストに加えておきましょう。
    ※街の美観維持に関しては、Neighborhood Association・House Owners Associationといった組織が家の外観や庭の手入れなどについて細かいルールを定めている地域もめずらしくありません。外観に関しては、たとえば衛星放送のアンテナ取りつけについて、その取りつけ場所や承認手続きを定めたりしています。必要に応じて家主に確認してください。
  • その他、家の中の灯かりをタイマーでON/OFFするようにしておくことも防犯に役立つといわれています。ホームセンターなどで安価に手に入りますので、道路に面している部屋のスタンドなどにセットしてから出かけるといいでしょう。また、冬場であれば水道の凍結防止のため、暖房は切らない・シンクの下やクローゼットなど配管がある場所に暖気が入るように扉をあけておくなどの対策が必要といわれています。
  • なお、ご存知のように同時テロ以降、空港は厳しい警備が続いています。もともと旅客が多いこの時期に警備が重なり、手荷物・預け入れ荷物の検査や入国審査では長時間かかることが予想されます。預け入れ荷物は、検査がある前提で、あまり詰め込まない・お土産は包装しない・施錠せずに預けるなど、空路を利用する場合の最新のTipsもお出かけ前にチェックする必要がありそうです。航空会社のウェブサイトや政府機関、例えば、Transportation Security Administration のウェブサイト(www.tsa.gov/public)などを参考にご覧ください。

DO NOT CALL LIST  (2003/5/3)

2012/05/16 11:14 に Hosyuko Admin が投稿

  • 自宅にかかってくるセールスの電話ほど、うっとうしいものはありません。夕食時間帯に多くかかってきますし、電話にでてもなかなか相手がでない、でたと思えばいきなりまくしたてられたりで、あまり愉快なものではありません。事情はアメリカ人にとっても同じようで、そんな声が高まったのでしょうか、各州で「Do not call List」の整備が進められているほか、連邦レベルでもこの夏から「Do not call Registry」がはじまることになりました。このリストに登録しますと、一定のセールス電話をシャットアウトできることになります。
  • アラバマ州では、「Do Not Call Register」をPublic Service Commissionという州組織が運営しています。電話でのセールスや勧誘を希望しない人は、このPublic Service Commissionのウェブサイトから、電話番号・住所・名前を入力するだけで、簡単に登録できます。登録された電話番号は2年間保持され、一定のテレマーケターはこのリストにある電話番号に対してセールスや勧誘を目的に電話をかけることが禁止されます。
  • もちろん、すべてのセールス・勧誘の電話がストップする訳ではありませんが、テレマーケティング専門業者からの電話の多くはストップしますので、セールス電話の減少が実感できるはずです。それでも電話がかかってきたときには、"Do not call me again."とはっきりと伝えましょう。勧誘側には、拒否の意思表示をした人の名前を10年間保存することが求められています。このほか、アラバマ州では午前8時以前ないし午後9時以降の勧誘・セールス電話を禁じているほか、勧誘・セールス電話ではかならず名のること、コンタクト先の電話番号や住所を伝えることを義務付けています。
  • 連邦の制度も、同じように簡単な登録さえすれば5年間名前がリストに維持され、これによりテレマーケティングの電話が減少することが期待できます。7月から登録がはじまり、10月から実際に機能することになっています。この連邦レベルの制度はFederal Trade Commissionのウェブサイトに案内があります。なお、州のリストと連邦リストとの間の情報共有化は、まだ数年かかるだろうということですから、利用を希望する方は両方に登録した方がよさそうです。
  • また、電話会社の有料サービスを利用することで、知らない相手からの電話を撃退する方法もあります。BellSouthではPrivacy Directorという名前で、こちらの電話を鳴らす前に、かけてきた相手に名のることを求めるスクリーニングサービスを行っています。名のらなければ電話を取り次がず、名のれば電話をつなぎますが、相手が名のった声をまず聞かせてくれますので、実際に相手とつながる前に電話にでるかどうかを決められるというものです。ただ、相手には英語のメッセージがまず流れますから、事情を知らずに電話をかけた方がビックリ!という副作用もあるようです。


  • 薬局でよく耳にする英語  (2003/5/6)

    2012/05/16 11:14 に Hosyuko Admin が投稿

  • Generic
    「後発医薬品」という訳語よりもジェネリックというカタカナで日本でも知名度が上がってきたようですが、欧米でははるかに広くこのジェネリックが普及しています。先行して発売され実績を積んだ医薬品を、その特許期間が過ぎたあと、同じ組成、品質レベルで安価に提供する薬品をさします。薬局で処方箋を出すと、"Is generic OK?"と聞かれることもよくありますが、ほとんどの場合OKと答えて構いません。ブランドに医師がこだわる場合は、処方箋にその旨を書き添えるからです。
  • Co-pay
    ドクターズオフィスや薬局でよく聞かれる質問に"How much is your co-pay?"があります。医療費とは別に、医院や薬局に行くたび支払う自己負担額のことで、一般には10ドルから数10ドル程度です。
  • Refill
    薬局で一度に出せる薬の量は限られているので、数回にわたって薬を受け取れるよう、医師が処方箋(prescription)にリフィルできる回数を書き入れ、薬局はその回数を容器ラベルにプリントします。最初に受け取った薬がなくなったら、薬局にその容器を持って行くだけで指定の詰め替え回数まで簡単に同じ薬が手に入るしかけです。
  • Over-the-counter medicine
    処方箋が不要の市販薬で、普通の陳列棚に並べてあることが一般的です。処方箋薬(Prescription Drug)はRX、Over-the-counter medicineはOTCという略語もよく見かけます。処方箋薬は保険が適用されますが、OTCに保険はききません。ときどき、医師が処方箋の用紙に市販薬の名前を書くこともあります。でも市販薬は市販薬、これで保険が適用になる訳ではありません。
  • 急病でERにかかったり、ふだんのドクターとは違う先生にみてもらうとき、症状の判断や薬の飲み合わせを考える上で、何の薬を服用しているかはとても重要な情報となります。服用している薬の名前を書いたメモを財布にいれて持ち歩くこと、また、薬の服用歴を継続して記録しておくことをおすすめします。


  • アメリカお産事情   (2003/5/3)

    2012/05/16 11:13 に Hosyuko Admin が投稿

  • Baby Shower (出産の前祝い)
    日本では赤ちゃんが無事生まれてから出産祝いというかたちで贈り物をしますが、アメリカでは妊婦さんを親しい女性が囲んでパーティを催し、そこで次々とギフトを差し出して、頂いた方もその場で包みを開けて楽しみます。Baby Showerの時期は、あまり早いと万一流産など不測の事態になったときにお互い気まずいものですし、お腹があまり大きくなってからでは妊婦さんご本人が大変です。そこで妊娠中期の安定した頃がいいとされています。
    もちろん、赤ちゃんが生まれてから訪ねていってお祝いを差し上げることも問題ありません。そのようなとき、赤ちゃんに兄弟姉妹があれば、新しくお姉さん・お兄さんになった子供にもギフトを用意していく姿をアメリカではよくみかけます。
  • Birth Certificate (出生証明)
    出生の手続きは、ふつうは退院までの間に担当の方が部屋まで訪ねて来てくれ、父親か母親が書類に署名すれば済む簡単な手続きです。この手続きとともにほとんどの家庭では出生証明書Birth Certificateの発行を申し込みます。出生後1ヶ月ほどで州のDepartment of Healthが発行する出生証明書を手にすることができます。最低2通は申し込んで、1通は金庫など安全な場所に保管し、1通は手元において学校の入学・編入などの折に使うという訳です。アメリカ生まれで日本人を親にもつ子供は、日本国籍を留保する届出をすれば、成人して本人がいずれかの国籍を選択するまで日本とアメリカ双方の国籍をもちますので、日米両方のパスポートをもって、日本の出入国では日本人として、アメリカ出入国ではアメリカ人として手続きすることになります。
  • Empathy Belly (擬似妊婦体験)
    日本でも出産前に母親教室が開かれますが、こちらの場合夫婦での参加が暗黙の了解で、そのため講座のタイトルも母親教室ではなく、たとえばPreparing for Parenthood といった具合です。Empathy Bellyはそうした教室で使われる小道具の一つで、しっかりとしたキャンバス地でできた腕を通して着るエプロンのようなものですが、等身大の胸とお腹が付いていて、重さも20ポンド余りあります。これを夫に着てもらい、床に落ちたものを拾わせたりしながら、妊婦の体にどれくらい負担がかかっているか、どれほど行動に制約があるかを追体験してもらうことが狙いです。Empathy Belly(直訳すれば「共感するためのお腹」?)というネーミングもユーモアたっぷりで、クラスが笑い声に包まれる場面のひとつです。
  • Epidural Anesthesia(腰椎麻酔による無痛分娩)
    無痛分娩は日本ではまだ少数派かもしれません。このEpidural は、無痛分娩に分類される出産法のうち、腰椎麻酔で痛みを抑えながら進める出産です。麻酔ですからリスクが完全にゼロということはありませんが、こちらでは女性の圧倒的な支持を受けており、全くの自然分娩(unmedicated child birth)で出産した人を探し出すことの方がかなり難しいでしょう。自然分娩はすでに過去のものという感覚で「昔のお産は大変だった」と話す医師もいます。安全であれば「It works! Why not?」。アメリカ人の実用主義的な側面を感じさせられます。
  • Circumcision (割礼)
    お腹の赤ちゃんが男の子だとわかったら、ご夫婦の間で出産前に話し合っておくことをおすすめします。アメリカ人の多くは生まれたての男子に病院で割礼をさせるので、出産後すぐにナースから意向をたずねられます。ある小児科の先生によれば医学的な理由はあまりなく、宗教的な伝統に基づくもののようです。割礼を施す30分位前に無感覚にするクリームを使うので、赤ちゃんに痛みはないということです。

  • クレジットヒストリー  (2003/3/1)

    2012/05/16 11:12 に Hosyuko Admin が投稿

    • 現金取引ではなく信用取引が一般的であるアメリカでは、個人の経済的な信用が社会生活を行う上で極めて重要な意味を持っています。クレジットヒストリーと呼ばれる個人の支払い記録は継続して蓄積され、経済取引のおよそあらゆる場面でその照会が行われます。そして一旦クレジットヒストリ-に傷がつくと、その後長期間に亘ってカードが使えない、モノが買えない、各種申込みができないなど著しい不利益を被ることになります。従って、クレジットヒストリーを良好に保つことはとても大切なことです。
    • 駐在員家族の日常生活でクレジットヒストリーを形成してゆく大きな要素は、小切手(不渡りがないか)、クレジットカードの支払い、そして公共料金等の各種支払いです。たかが電気代・水道代と侮るべからず、なのです。帰省や旅行で留守がちになる季節ももうじきです。奥さんまかせ、亭主まかせだからと請求書を放っておくことがないようにくれぐれもご注意を。もうひとつ、クレジットヒストリーへの心配要素はカードの不正利用による被害。しかしたとえ不正利用された結果であっても、傷ついたクレジットヒストリーの修正には多大なエネルギーが必要になります。万一なくしたときに速やかにキャンセルできるよう、連絡先電話番号、カード番号の控えをいつも持っていること、見知らぬ相手にカード番号を決して伝えないこと、伝票の控えを安易に捨てないことなどの自衛策が必要です。
    • また、加入している医療保険が一定の費用をカバーしているとはいえ、保険情報の伝達が医療機関間で十分でなかったり、医療機関の請求・回収のサイクルと保険会社の支払いタイミングのずれなどから、医療機関から請求書が直接家に届くことも珍しくありません。医療費は保険会社が払うから大丈夫だろう、と早合点してそのまま放置しておき、弁護士事務所や債権回収のエージェントからの督促を受け取るに至って「これは変だぞ」と気づく方もいるようです。この段階は、もう一歩でクレジットヒストリーに記録されてしまうという事態で、対応もやっかいになってきます。間違った請求であれ行き違いであれ、ためこまずにアクションを起こしませんと、後で痛い目にあうおそれがあります。請求書は「bill」「invoice」という言葉のほか「statement」というタイトルになっている場合もあります。
    • ちなみに、保険会社から送られてくる書類は、支払いの行き違いなど将来のトラブルに備えて保管しておくことをお勧めします。また、医療関係に限らず、請求書や支払いの記録、銀行のステートメントなど経済取引に係る書類、タックスリターン書類などは、駐在期間のみならず米国を離れても数年間は、保管しておくことが必要と思います。法的な紛争に巻き込まれたとき、「当事者」となるのはあくまでも取引の主体である私たち個人であり、自らの主張を立証する責任は、多くの場合当事者自身にあるからです。



    Alabama State Quarter (2/8/2003)

    2012/05/16 11:11 に Hosyuko Admin が投稿

    • ご存知のように、25セント硬貨(Quarter)は裏面にワシの絵が刻印されているものとは別に、州の名前が入り固有のデザインが施されたQuarterが発行されていますが、このシリーズに今年はいよいよアラバマ州のQuarterが22番目のState Quarterとして加わります。
    • 「50 State Quarters Program」と名づけられたこのプログラムは、「合衆国の若い世代に、各州に関する知識、歴史や地理、そして多様で豊かな国家的遺産に関する知識を広める」ことを目的に全50州のState Quarterを順に発行してゆくもので、1999年デラウエア州のQuarterからスタート、毎年5州のQuarterを発行して2008年にはすべてのState Quarterが出そろうことになっています。発行の順序は、United Statesに加盟した順、つまり独立国のように振るまっていたかつての諸地域が、合衆国憲法を批准し合衆国に加わった順に発行されることになっており、State Quarterの発行を追いかけてゆくことで、アメリカ合衆国の歴史をたどり、それぞれの州を代表する人物や出来事などに触れることができる仕掛けになっています。アラバマ州は1819年12月14日、22番目のStateとして合衆国に加わりましたので、22番目のState Quarter発行という訳です。
    • Alabama State QuarterはHelen Keller(ヘレンケラー)がモチーフ。2001年1月、コンセプト募集が州内の学校に呼びかけられ、数多くのアイデアが寄せられました。最終選考にはヘレンケラーのほか、公民権運動に関するもの、社会史・経済史をテーマとするアイデアが残り、これらの中からヘレンケラーが選ばれました。ヘレンケラーは1880年、アラバマ州の北西コーナーに位置するColbert CountyにあるTuscumbiaという小さな町で生まれました。幼い頃に視力や聴力を失ったものの、大変な努力でハンディキャップを乗り越え、その生涯を社会的弱者のための活動に捧げたことは良く知られているところです。
    • Alabama State Quarterには、ヘレンケラーの姿とともに「Spirit of Courage」と書かれたバナーが刻印されます。昨年10月、デザイン発表の席で当時の州知事はこの言葉について「アラバマの人々がもつ力強さと忍耐、そして前向きな姿勢を象徴する言葉」として、また「ヘレンケラーこそ、想像を超える困難にもかかわらず、アラバマの人々がもち続けてきた勇気をまさに体現した人物であり、ヘレンケラーの生き方と精神は今も世代を超えて世界中の人々を勇気づけている」と説明しました。ヘレンケラーの名前は英語と点字(Braille)で表記される予定で、アメリカで流通する硬貨としては初めての点字硬貨になります。フィラデルフィアとデンバーにある合衆国造幣局で鋳造され3月頃から市中に流通しはじめるそうです。
    • 台紙を買ってコレクションをはじめたものの、いくつか手に入らなかったState Quarterがあって、、、という方は、造幣局のウェブサイトへ行ってみましょう。収集家向けの様々なグッズが販売されています。

    クロスカルチャーコミュニケーション (2/8/2003)

    2012/05/16 11:10 に Hosyuko Admin が投稿

  • 先般、州内のある企業で日本人駐在員の英語クラスを開設するにあたって簡単なサーベイが行われ、その中の質問項目のひとつとして、

    Are there any issues related to cross-cultural communication, especially cultural differences that interfere with work communication - that you would like to see addressed in English language classes?(異文化間のコミュニケーションに関連した問題点、とりわけ文化の違いが職場でのコミュニケーションの妨げになっていて、日本人の英会話クラスで取り組んで欲しい問題がありますか?)

    という質問をアメリカ人社員向けの質問書に設けたところ、興味ある回答が数多く寄せられました。その中からいくつかご紹介したいと思います。

  • Need to address the issue of saying "yes" or nodding, smiling, even when Japanese don't understand. Japanese need to communicate directly that they don't understand when they don't understand. (理解していないのにYesといったり、うなずいたり微笑んだりすることは問題だということを取り上げて欲しい。理解できないときは、すぐに分からないと言うべきだ。)

    ---話の内容を理解していなくても、話を聞きながら「Yes, Yes」と口にしたり、「うんうん」とうなずきながら相手の話を聞いてしまうことはよくあることです。また、話を聞いている最中に分からないと口にすることは、相手の説明が悪いというニュアンスになってしまうかもしれない、、そもそも自分の英語力不足が原因だし、、後から人に聞いて内容を確かめればいいか、、などと思い、理解しないまま会話を終えてしまうことは多くの方が経験されているのではないでしょうか。しかし、分からないことは分からないと、はっきりさせることがこちらの流儀、分からないと言わなければ分かったものとして相手は考えてしまいます。後から「やっぱり違うよ」と言っても、相手は「何で今ごろ?」と感じてしまうのでしょう


  • Associates need to be able to explain the deeper reasons for a particular action or a judgement rather than say it is Japanese style.(具体的な行動や判断の際、これが日本のやり方だからと言うのではなく、きちんと理由を説明できるようになって欲しい。)

    ---理由を説明したくてもどうせうまく伝えられないからと、つい「日本ではこうやっている」という説明だけで、その場をおさめてしまいがちではないでしょうか。「なぜ」の中にこそ伝承すべき考え方やノウハウが込められているはずですし、アメリカ人社員もそれを待ち望んでいます。
    また、思いがけない「なぜ?」の問いかけが、これまでの常識や思い込みを見直す契機になることもしばしばあります。しかし現実には、日本人から一番聞きたいことを聞くことができない、そんなアメリカ人社員のフラストレーションが感じられます。


  • Learning to praise and correct properly would help with associate relations; someone else says that "criticizing people in front of others" is a problem.(上手な誉め方・叱り方を学べば、アソシエイトとの関係がもっとうまくいくのではないか。他人の面前で人を批判することが問題のひとつ、と聞いたことがある。)

    ---アメリカ人は本当によく人を誉めます。朝礼や会議など、さまざまな場面で、ちょっとしたことでも必ずGood Job、Great Jobと賞賛します。その一方で、注意したり叱ったりすることは決して他人の面前では行わず、人目のないところで慎重に(しかし率直に)行うようです。その点、日本人はどうでしょうか。"あうんの呼吸"ではありませんが、「言葉でいちいち説明しなくても、あいつは俺の考えが分かっているさ」というスタイルは、まだまだすたれていない気がします。また、人前で叱ることについては、「周りの人間も何が問題なのか理解できて、かえっていいじゃないか、、、」という意見があれば、「それもそうかな」と思ってしまいそうです。しかし日本ではどうあれ、他人の面前で叱られる、批判されることにアメリカ人は全く慣れていませんし、大変な侮辱を受けたと捉えてしまいます。


  • その他には、
    distinction between "directions and strong requests" and anger - choice of tone
    (指示ないし強い依頼?それとも怒っている?トーンをはっきり区別してほしい)
    politeness(丁寧さ、丁寧な表現)
    the correct way to interrupt(話に割って入る時の言い方)
    political correctness(以前にご紹介しました)


    などがありました。私たちのつたない英語から、何とか真意をくみ取ろうとするものの、トーンがつかめず当惑している様子や、直接的な言いまわしに対するいらだち、状況に応じた言い方やマナーを習って欲しいという願い、そんなことをこれらの指摘から感じることができます。

  • 英語を学ぶことは、単に言葉を習得するだけではなく、日本語の環境や文化とは異なる、新しい文化を知ることでもあります。異文化に対する感受性をみがき、「優劣」の視点ではなく、「違い」を前提としていかに効果的なコミュニケーションを図り協働してゆくか。駐在員一人ひとりに課せられた、この古くて新しい課題を改めて意識させられるサーベイでした。


  • 1-10 of 22