2012/05/16 11:12 に Hosyuko Admin が投稿
- 現金取引ではなく信用取引が一般的であるアメリカでは、個人の経済的な信用が社会生活を行う上で極めて重要な意味を持っています。クレジットヒストリーと呼ばれる個人の支払い記録は継続して蓄積され、経済取引のおよそあらゆる場面でその照会が行われます。そして一旦クレジットヒストリ-に傷がつくと、その後長期間に亘ってカードが使えない、モノが買えない、各種申込みができないなど著しい不利益を被ることになります。従って、クレジットヒストリーを良好に保つことはとても大切なことです。
- 駐在員家族の日常生活でクレジットヒストリーを形成してゆく大きな要素は、小切手(不渡りがないか)、クレジットカードの支払い、そして公共料金等の各種支払いです。たかが電気代・水道代と侮るべからず、なのです。帰省や旅行で留守がちになる季節ももうじきです。奥さんまかせ、亭主まかせだからと請求書を放っておくことがないようにくれぐれもご注意を。もうひとつ、クレジットヒストリーへの心配要素はカードの不正利用による被害。しかしたとえ不正利用された結果であっても、傷ついたクレジットヒストリーの修正には多大なエネルギーが必要になります。万一なくしたときに速やかにキャンセルできるよう、連絡先電話番号、カード番号の控えをいつも持っていること、見知らぬ相手にカード番号を決して伝えないこと、伝票の控えを安易に捨てないことなどの自衛策が必要です。
- また、加入している医療保険が一定の費用をカバーしているとはいえ、保険情報の伝達が医療機関間で十分でなかったり、医療機関の請求・回収のサイクルと保険会社の支払いタイミングのずれなどから、医療機関から請求書が直接家に届くことも珍しくありません。医療費は保険会社が払うから大丈夫だろう、と早合点してそのまま放置しておき、弁護士事務所や債権回収のエージェントからの督促を受け取るに至って「これは変だぞ」と気づく方もいるようです。この段階は、もう一歩でクレジットヒストリーに記録されてしまうという事態で、対応もやっかいになってきます。間違った請求であれ行き違いであれ、ためこまずにアクションを起こしませんと、後で痛い目にあうおそれがあります。請求書は「bill」「invoice」という言葉のほか「statement」というタイトルになっている場合もあります。
- ちなみに、保険会社から送られてくる書類は、支払いの行き違いなど将来のトラブルに備えて保管しておくことをお勧めします。また、医療関係に限らず、請求書や支払いの記録、銀行のステートメントなど経済取引に係る書類、タックスリターン書類などは、駐在期間のみならず米国を離れても数年間は、保管しておくことが必要と思います。法的な紛争に巻き込まれたとき、「当事者」となるのはあくまでも取引の主体である私たち個人であり、自らの主張を立証する責任は、多くの場合当事者自身にあるからです。
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